たんぱく尿

たんぱく尿は日常の検診や臨床上もっともよく見られる所見の一つです。正常人の尿にも微量のたんぱくは含まれていて(80mg/日前後)正常な尿と病的なたんぱく尿を見分けることが困難なことがあります。一般的には150mg/日程度をこえるたんぱく尿が見られるときに臨床的にはたんぱく尿と呼んでいます。
 現在、たんぱく尿の検出に用いられている方法は試験紙法とスルホサリチル酸法があります。感度はスルホサリチル酸法が優れていますが、試験紙法は簡単で薬剤などの影響を受けることが少ないので検診などで広く使われています。
 尿たんぱくが陽性と判明したときは、それが一過性で病的な意義のない生理的たんぱく尿であるか、持続的な病的たんぱく尿なのかを鑑別する必要があります。激しい運動のあとや高熱が見られるときだけに尿たんぱくが陽性となることがあります。また、月経時には血液が尿に混入するため尿たんぱくが陽性になりえます。こういった身体的状況の影響をのぞくため診断のためには複数回の検尿が必要となります。早朝尿で尿たんぱく陰性で外来での随時尿が陽性の場合、良性の体位性たんぱく尿が疑われ、確定診断にはさらに詳しい検査が必要なこともあります。体位性たんぱく尿は治療の必要がありません。
 病的たんぱく尿と診断された場合、原因疾患の鑑別が必要です。原因の存在する部位によってたんぱく尿は腎前性、腎後性、腎性の3種類に分けられます。
 腎前性のたんぱく尿は血中のたんぱくが異常に増加した場合おこります。例えば、赤血球が身体の中で破壊される溶血が起こった場合、赤血球のヘモグロビンというたんぱくが尿中に出てきます。また、ある種の血液の疾患では異常なたんぱくが大量に産生され、尿中に排泄されます。
 腎後性のたんぱく尿は腎盂以下の炎症や結石、腫瘍などでおこります。血尿や白血球尿などの尿異常や痛みなどを伴うこともあります。膀胱鏡や超音波検査など泌尿器科的な検査が診断には重要です。
 腎性たんぱく尿はさらに糸球体性たんぱく尿と尿細管性たんぱく尿に分類されます。通常、原尿を産生する糸球体係蹄(けいてい)は血中のたんぱくをほとんど通過させませんが、糸球体腎炎、糖尿病性腎症などの糸球体疾患やうっ血腎などの循環障害では大量のたんぱくが糸球体を通過します。一方、尿細管性たんぱく尿は尿細管でのたんぱくの再吸収障害でおこりファンコーニ(Fanconi)症候群、重金属による腎障害の時などに見られます。腎前性たんぱく尿、腎後性たんぱく尿の場合はたんぱく尿自体は治療の対象にはならず、原疾患の治療が目標になります。腎性たんぱく尿では慢性腎炎やネフローゼ症候群などが原疾患であり、病型によっては腎不全に進行するものもあります。このため、早期の診断・治療が必要であり、専門医の受診が勧められます。

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