「骨粗鬆症」はあなたを狙っています
48才の主婦の中林さんは、家事に忙しい日々を送っています。2年前から生理が減り始め、時に2、3ヶ月に一回の不規則な状態になっています。中林さんは「腰が痛くて、いくら休んでも変わらない」と悩んでいました。半年も経つと痛みの症状が腰から背中へ広がっていき、手首、肘や足首までも痛くなってしまいました。寝ている時でさえもしばしば痛みで目が覚めてしまいます。蒸しタオルやマッサージをした後もあまり効果が見られませんでした。最後に病院で骨量測定をした結果「骨粗鬆症」と診断されました。中林さんの骨質は75才の老人のものに相当していました。 60才の星さんは毎日公園で踊るのが趣味の一つです。ある日踊っていた時に、誤って人の足を踏んでしまい、バランスをくずして自分もたおれてしまいました。星さんはとっさに両手で体をささえ、腰とおしりはなんとかもちましたが、右手の手首は言葉にならないほど痛みました。手首はすぐに腫れ、形までも変わってしまいました。急いで病院に行ってレントゲンを撮って調べたところ、骨折だとわかりました。又骨密度が低いこともわかりました。そして星さんは「骨粗鬆症」と診断され、そのために骨折したのだと言います。
「骨粗鬆症」とは?
骨粗鬆症とは、英語で「Osteoprosis」といい、穴だらけの骨という意味です。穴だらけの骨は正常な骨と比べてどこが違うのでしょうか?穴が多い骨は、骨の外観は変わりませんが骨の中のカルシウムが失われてしまっている状態になります。カルシウム不足の骨は、骨の外壁が薄くなり、中身は、すかすかな現象に近くなりです。こんな骨では、体の重さを支えることができなくなるため、腰痛や骨折の危険性が高くなるのです。
骨粗鬆症とは、骨格の海綿骨部分でよく起こる病気です。人間は、若い時は骨質が細密です。ところが年齢を重ねるとともに海綿骨に大きく穴ができるようになっていきます。「骨粗鬆症」とは、骨格の密度が低下し、骨量の減る病気、つまり、単位骨質の密度が臨界値以下までに減少する病気のことをいうのです。
骨粗鬆症の種類
原発性骨粗鬆症
骨の老化や、閉経にに伴い骨量が急に減少することで引き起こった骨粗鬆症を、現発性骨粗鬆症と言います。女性は平均50才前後で閉経になり、女性ホルモンの分泌は急に減少します。女性ホルモンは骨の強化にも深くかかわっており骨を守る役目を果たしています。閉経すると女性ホルモンが急に減り、骨の保護ができなくなってしまいます。この影響は大きく、骨の破壊スピードが急激にアップします。骨のカルシウムが失われていくと副甲状腺ホルモンの働きが弱くなり、カルシウムの吸収が悪くなって尿にどんどん排泄されてしまい、骨量が減って、背骨、手首、大腿骨の頚部骨折になりやすくなるという悪循環になります。
続発性骨粗鬆症
骨粗鬆症は閉経した女性と50才以上の人間が特にかかりやすい病気ですが、若い者や子供でもかかることがあります。これは、続発性骨粗鬆症と言います。
続発性骨粗鬆症を引き起こす原因はいろいろあります。例えば、副甲状腺機能亢進症と言う病気になると、血清カルシウムが上がってしまうために骨に破骨細胞が異常に増加してカルシウムをどんどん放出して、骨質を壊してしまいます。肝臓病患者、胃腸病患者、胃腸の手術を受けた人、長い間酸化製剤を服用している人、脳卒中、骨折、長い間病気で寝でいる人、お産経験のない女性、運動不足の人、膿ようや関節炎患者、コーヒーをたくさん飲む人、ある種の利尿剤を長く服用する人、栄養吸収のバランスが悪い人、タンパク質、脂肪の多い食べ物を好む人、煙草、酒を過量する人も骨粗鬆症になりやすいでしょう。
「骨粗鬆症」の症状
背中や腰が痛くなる:
「骨粗鬆症」の最早期の症状です。始めは一部だけの痛みなのですが徐々に全身に広がっていきます。
ちょっとしたはずみに骨折しやすくなる:
骨格の密度が0.6/立方cm以下になった場合、骨折の危険が大きくなります。骨折しやすいところは手首、大腿骨頚部、肩部及び背骨です。
猫背になったり脊椎又は関節が変形したりする:
そのため運動能力に影響がでて、体を十分に動かすことができず骨がいっそう弱くなり、骨折すると全治にはかなりの時間がかかるようになります。寝ている時間が長ければ長いほど筋肉の力も骨の強さもさらに弱り、最悪の場合は肺炎や褥倉、静脈炎を引き起こし、命にかかわる事態にもなりえます。
「骨粗鬆症」の原因
骨の主要成分は、リン酸とカルシウム等の有機物質と無機物質です。リン酸とカルシウムは骨の強さを支え、網の目のようにはりめぐらされた膠原は骨に弾力性を与えます。
骨をつくることを「形成」、骨を壊すことを「吸収」と言い、年齢によって骨の新陳代謝も違います。骨の成長期に骨は長くなり、厚さも増加して強くなり、20、30代のときの骨量を「最大骨量」と言います。この時期の「形成」のスピードは「吸収」より速く、加齢、あるいは病気とともに「形成」の速度は下降していきます。「形成」より「吸収」が活発な状態が長く続ければ、骨量が減少していき、骨が弱くなり、「骨粗鬆症」になります。